【新人が行く!現場紹介】雨漏りのメンテナンス施工

新人の響です!本日は京都市内にある7階建てのマンションの外壁施工に伺いました。

5階から雨漏りするものの原因が分からずお困りでしたが、隣家との隙間が狭いため足場を立てられず、無足場でのロープアクセス施工が可能な当社にご依頼いただきました。

ロープで降りるための準備

今回の物件の場合はパラペット(写真のピンク色の部分)に専用のクランプを設置してアンカー(器具などを建物に取り付けるために打つ、抜けにくい構造をした留め具のこと)にします。

固定したクランプの先にロープを取り付け、ぶら下がっていきます。

ロープがパラペットを乗り越える部分では、パラペットをロープで傷付けないよう、また、ロープそのものを傷つけないように保護します。今回はロープガードを使いました。状況に応じて様々な養生道具で建物を傷つけないように養生します。

施工

準備が完了したら施工スタッフが降りながら施工していきます。

この現場は雨漏りをなんとかして欲しいとのご依頼でしたが、雨漏りは原因が複数であったり、一見しても原因が分からなかったりします。場合によっては散水試験を行なって雨漏りの原因箇所を特定する場合もありますが、今回はロープで降りながら原因となり得る亀裂を全て補修していきます。

今回は「レクセル」というコーキング接着剤を使用して補修しました。

変性シリコンやウレタンなどのコーキング材料と違い、プライマー(コーキング材と下地の間に塗る接着剤)無しで多くの素材に強力に接着し、弾力性もあるため、様々な目地や水回りで使用されているコーキング剤です。プライマーが不要なため迅速な施工が可能です。

大きな亀裂や目地には不向きですが、細かい亀裂の場合は充填するだけで補修できます。

5階付近まで降りてみると、目地に原因と考えられる大きな亀裂が見つかりました。コーキングして補修します。

施工が完了したら下まで降り切って撤収します。下が川だったり、隣家だったりして降りれない場合は、屋上までロープを登っていきます。

隣家との隙間が狭く、足場を組むことは不可能だったためロープアクセスでの施工の強みが活きました。

今回の物件はALCという気泡の入った軽量コンクリートでできた建物でした。パネル状に加工して外壁材として使用するため、ALCパネルと呼ばれることもあります。ALCは耐久性に優れ、軽いことから耐震性が高いというメリットがあります。また、断熱性や遮音性に優れるなどたくさんのメリットがありますが、気泡を含んでいるため水に弱く、防水施工が必須なのがデメリットです。

そのため外壁面には防水機能のある塗装が必須になります。また、ALCパネル同士の間の目地を埋めるコーキングも消耗品のため、定期的なメンテナンスが必須です。

今回はその塗装面に亀裂が入ってしまったことと、コーキングの劣化により雨漏りが起こってしまったようです。

ALC造の建物は特にですが、目地などに使われるコーキング剤は消耗品で必ず劣化してしまうため、5年〜15年で点検・補修が必要になるため、定期的なメンテナンスをオススメします。