【新人が行く!現場紹介】大学校舎の大規模改修工事

新人の響です!
去年に引き続き、京都私立大学の雄、立命館大学より校舎の改修工事をご依頼いただきました。

今回ご依頼いただいたのはタイル仕上げと、コンクリート打ちっ放しでできた校舎です。
タイル面の補修、コンクリート面にできた亀裂の補修工事を行いました。

言うまでもなく日本有数の私立大学ですので、管理もしっかりされています。大手工務店・ゼネコンさんに混じって元請けとして施工させていただきますので、様々な調整もしていきます。

高所作業車の入れない箇所や、夏休み限定のスピードが求められる施工ということで、足場不要でスピーディな施工が可能なロープアクセス工法が最適でした。ビルスターでは、足場工事にも劣らないロープアクセスでの施工実績があります。

詳しくは施工実績をご覧ください。

施工準備

軒が長く、屋上からロープで降りることができなかったため、軒天にアンカーを打ち込んで、ロープで降りる方法を採用しました。

画像はアンカーを打ち終わった、校舎の北側の写真です。

およそ1m間隔でアンカーを打ち込んでいます。

今回ご依頼いただいた「諒友館」は、5階建ての建物に1階建ての食堂が併設されている形で、画像のピンク色の部分には高所作業車が入れますが、黄色の部分は食堂の屋上にあたるため、高所作業車でのアンカーの設置作業ができませんでした。

そのため、高所作業車で届く部分までを先に打ち込み、そのアンカーにロープを設置しぶら下がって隣に打つ、またそのアンカーにロープを設置し…という形で校舎の周り全てにアンカーを設置しました。

施工内容

タイルの打診調査

アンカーを打って施工のための下準備が終わったら、タイル仕上げの部分の打診調査を行います。

タイルは、メンテナンスを怠ると剥がれるなどして事故に繋がるため、異常のある部分を全て見つけて対処することが肝心です。

タイルの補修

打診調査を行って異常が起きている箇所を調べたら、補修を行なっていきます。

タイルはモルタルなどの外壁仕上げ剤によって建造物の外壁面(下地)に張り付いています。一般的には、この仕上げ剤と下地が剥離することで浮いてしまいます。

剥離が起こる理由は様々ですが、経年劣化が原因となることが多いです。タイルの補修方法については色々な方法がありますが、弊社では主に以下の3種類の補修方法を採用しています。

   エポキシ樹脂注入

タイルが浮いている部分にドリルで穴を開け、そこにエポキシ樹脂を充填することで仕上げ剤と下地との間に出来た隙間を埋める方法です。

   アンカーピンニング

浮部にエポキシ樹脂などの接着剤を充填し、アンカーピンという小さなステンレス製のピンを打ち込むことで、浮部全体を固定する補修方法です。接着剤とアンカーピンの両方を打ち込んでいるので、エポキシ樹脂の注入だけと比べ、より強力に補強することができます。

  •   張り替え
  • タイルが割れていたり、欠けてしまっている箇所、剥落の危険性が高い箇所については、古いタイルを完全に取り払い、新しいタイルを設置する張り替えを行います。

    コーキングは経年によって劣化する消耗品のため、新築や以前のメンテナンスから5年〜10年ほど経過すると、コーキングの劣化に伴って付近のタイルも浮いてきてしまいます。

    この写真は「諒友館」の東側の写真です。横に大きな目地が2本通っているのがわかりますでしょうか?

    そしてこの写真は、今回打診調査でタイルの浮きが確認され補修を行なった部分です。ピンク色の線が目地で、黄色の部分が補修を行なった部分です。

    目地には建材同士の隙間を埋めるコーキングが充填されていますが、目地に沿って浮きが起こっているのがわかるかと思います。

    壁面の補修

    塗装部分

    塗装がされている外壁では、塗膜が剥がれて中のコンクリートが見えていたり、コンクリートが爆裂して鉄筋が見えてしまっているなど、さまざまなドラブルが見られました。

    「爆裂」は長期間メンテナンスされていない建物に良く見られます。経年劣化や地震などでコンクリートに亀裂が入ると、そこから建物を支える鉄筋部分まで浸水してしまうことがあります。

    雨は酸性のため、浸水を長期間放置すると鉄筋部分が錆びてしまい、錆びると鉄は膨張するためコンクリートが膨張圧に耐えられず爆裂してしまうのです。

    鉄筋が露出していた箇所は、錆びてしまった鉄筋部分の錆をケレン(やすりなどで汚れや錆、塗膜などを落とす作業)をして防錆昨日のついたプライマーを塗布し、エポキシ樹脂モルタルで補修しました。

    エポキシ樹脂モルタル充填工法については、こちらの動画がとてもわかりやすいです。

    爆裂部が補修できたら、上から塗装します。

    コンクリート打ちっ放し部分の洗浄・補修

    コンクリートの打ちっ放し部分は亀裂が入っていたり、爆裂して内部の鉄骨が見えてしまっている部分があったため補修が必要でした。

       補修作業に入る前に高圧洗浄機で洗浄していきます。
       今回コンクリートの亀裂はエポキシ樹脂を注入することで補修しました。
       亀裂に沿ってエポキシ樹脂を充填していきます。
       表面に残った樹脂を拭き取れば、完了です。

    クリアコート

    亀裂の補修が終わったら、防水施工を行っていきます。

    厳密には「防水」ではなく、「吸水させにくくする」機能のついた塗料を使用しました。コンクリート自体に浸透するタイプの塗料なので、コンクリート表面の小さい穴に入り込み吸水防止層を形成してくれます。

    また今回使用した塗料はコーティング機能も備わっており、汚れを弾く効果なども期待できます。

    まとめ

    今回大学の校舎1つを全て補修するということで、かなり大規模な改修工事となりました。

    短工期かつ無足場という、ビルスターならではの施工となったと思います。